K村二次会でおこった出来事


はじめに
 個人のプライバシーおよび関係者の方々の社会的地位を考慮し、登場人物の氏名は全て伏せさせていただきますが、この物語はノンフィクションかも知れない(笑)。

■日時:199X年5月18日(土)17:30〜
■場所:外苑前「L」(ベルコモンズ近く)

○16:00
 天王洲で行われたT田さんの披露宴が終了した後、N羽、篠D、J太でタクシーを駆って外苑前へ。N羽助教授(当時)は着替えのため実家である代々木上原まで帰る。着替えるという事は臨戦体勢の証なのか。ちなみにこの日のT田さんの披露宴ではN羽氏が乾杯の挨拶、篠D氏は仲人挨拶を立派につとめあげていた。ギャグも客のハートをゲットしていたようである。
 J太と篠D氏はK村二次会会場である青山「L」ビルに到着。会計役のH野達と合流し、打ち合わせを始めた。店の人は忙しく店内の掃除をしている。ところがやることのない篠D氏は一人ステージ脇の客席にぽつねんと座り、T田さんの披露宴の引き出物の中身を確認していた。(自分で商品を選択できるタイプのもので、選んでいたらしい。)ウーロン茶を飲みながら・・・。

○16:30
 新郎新婦が到着。新郎新婦はやる気満々である。続いて、スタッフである新婦の友人達も到着。飾り付けや衣装などの準備が進む。そこでJ太の携帯が鳴る。「もしもし? 誰?」「おーい! J太! ここ何処だかわかんないよお! なんか人が多くて怖いよお!店の場所もわかんないよお!」田舎から出てきたK也である。この日の午前中にK県からわざわざ飛行機でやってきた某局の田舎者のアナウンサーだ。K也は、本日司会者をつとめる予定だった女性がドタキャンとなったので、急遽J太と組んで司会をすることになっていた。
 J太は忙しかったのだが仕方なくK也を迎えにベルコモンズのある交差点へ。するとK也、F田、に加えてやはり金沢から出てきた斉Dがいた。みんななぜかとても嬉しそうである。仕事は忙しくないのだろうか。
 K也は店に入るなり篠D氏を見つけて「先っ生〜、ひさしぶりどぇ〜す!」と乾杯を始めてしまった。「当日の進行もまだ決まってないのに・・・」と不安げなJ太も引っ張り込み、みんなで飲む。「披露宴でさんざん飲んできたのに・・・」
 ちなみにこの日はハワイの雰囲気を出そうということで、スタッフ一同はアロハシャツに白いズボンという出で立ちだったのだが、H野が最も似合っていた。(つまり妖しいということだ)しかし、このスタッフの中で最も冷静なH野は、受付担当者への指示や、備品の置き場等、てきぱきと仕事をこなしていた。また、女性スタッフはハンドベルの練習だ。K也は楽器を取り上げチャチャを入れている。我々司会者を助けてくれる、わんこレディ役の男性(K村の会社の後輩)たちもすっかり着替え終わった。

○17:00
 徐々に招待客が集まり出す。ペイラインである80人はクリアしそうな滑り出しだ。経営工学科の人間も集まりだした。S本夫妻、O俣、M野、N森夫妻などなど。席が足りるかどうか・・・。半野が心配そうに動き回る。そのころには螺旋の階段には受付を待つ招待客が列をなしていた。

○17:30
 開演。我々司会者が自己紹介をする。「幸せは末永く、挨拶は手短に」とかいいながら我々の自己紹介は「すげーなげー」と言われた。すいまへん。
 K也は「一応」プロの司会者であり、ギャグの心得もあると思いこんでいる人間なので、事前にひとつだけJ太にネタ合わせを要求した。それは新郎新婦の入場の時に、「さあいよいよ入場ですっ!・・・っと、その前にですね、本日は飲み放題です!」というお決まりの「フェイントギャグ」をかます、というものだった。彼の頭の中にはのっけから「バカうけ状態の会場」が描かれていたようだ。そして本番。スポットライトが階段の上に注がれる。「さあ皆様おまちかね!いよいよ新郎新婦の入場ですっ!・・・そのま・・」ジャジャ〜ン(大音響の音楽)「・・・・・」結局CDの大音響にかき消され、唯一のネタは闇に葬られた。かっこわり〜。(それでもK也は独り言のようにギャグ言ってた)
 新郎新婦は、まるでさっき結婚式の会場から駆けつけたみたいな格好で満面の笑みをたたえて登場。みんなの拍手とクラッカー(H野とJ太がLOFTで購入したもの。ライス状の発泡スチロールが出るものなど5種類!)を気持ちよさそうに浴びていた。
 まずは乾杯の挨拶。恩師であるN羽助教授が小気味良いスピーチをし、乾杯。その後、わんこレディが酒を用意し、新郎新婦の挨拶を助け、各地で一気を仕掛ける。
 しばらくのご歓談中、ハワイでの挙式の模様を収録したビデオを流し、司会者が勝手な解説を加える。ビデオの中で何度もちゅーする二人。おいおいこれじゃあ「おまかせコール」も必要ないぜ。べいべ。でもさせるけど。

○18:30
 いよいよ第一のイベント「地獄の飲みゲーム」。これは目があった人同士で狂ったように一気を繰り返すだけ、という単純なもので、通常の結婚式の二次会ではあまりお目にかかれない(というか、あまりやりたがらない)ゲームである。しかしながらこれは新郎新婦の「みんなを酔っぱらわせる大飲み会」という主旨を反映したものであり、なおかつスタッフ側のもっとも得意とするジャンルである。(それは金沢で証明されている)
 数回の一気を繰り返し、残った選手がステージ前へ。プレステがかかっているので割とみんな真剣である。結局優勝者はS野さん。PSを楽しんで下さい。ところがこれでは終わらない。H野とJ太が買い出しの時に勢いにまかせてもう一台PSを買っていたのだ! 今度は女性対決。司会のJ太は密かにこの時、妻であるY子に「Y子、勝ってPSを持ち帰っておくれ・・・・!」と祈ったが、出場者にAけみ嬢がいるのを確認した瞬間にその甘い考えを捨てた。それはウルトラマン貴の花が戦いを挑むようなものだ。
 スタッフ側には結果は見えていたが一応勝負をした。もちろん勝利したAけみ嬢は物足りなさそうにPSを抱えて舞台を降りた。「こんなもんじゃない。奴の実力は・・・。」H野は密かにそう思ったという。とにかくゲームは終了した。手前味噌ではあるが、ビンゴなどよりも数段盛り上がり、賞品も一点豪華というのは、負けたお客さんにもインパクトを与えることができたと思う。

○19:15
 またしばらくの歓談の後、今度はハンドベル隊が登場。質問&演奏会を披露。この質問の内容がエグくて良かった。私は、新婦の掲げた「渋谷」という答えが今でも網膜に焼き付いている。凄い。凄すぎる。この連中はパワーにあふれている。それとも我々が大人しくなりすぎたのか? これがポンジョパワーなのか?もっと早くにお知り合いになっておけばよかった、とは司会者双方一致の意見である。

○19:40
 フィナーレ。当然、ちゅーをさせた。何度も何度もさせた。我々も酔っていたのでしょう。「見えませ〜ん!」とか「10秒かぞえるから!」とか子供のようなことを言っておりました。でも新郎も新婦もうれしそうだった。
 新郎、新婦からお礼の挨拶。そして退場。例によって大渋滞ができた。結局全員が出るころには20:00はとっくに回っていた。と、店員さんが階段にほうきをかけている姿を斉Dが凝視している。何かと思ったらミニスカートだった。こいつは嫁さんと離すと何をするか分からない。あ、そりゃK也もS本も一緒か。
 別の会に参加していたW辺先生もあいさつに顔をだした。篠D助手は、「今日は何があったんですか?」と質問。「学会ですよ。篠D先生、いいんですか?出なくて・・・。」というW辺先生の答えにビビる篠D助手。
 片づけをしていたらPSが一台無くなっていた。Aけみ嬢の分だ。こういう席で持っていく奴がいるとも思えないし、店の人でもない。本当になくなってしまったのだ。めでたい席で後味が悪い。X-FILESのモルダーにでも調査をお願いしたい。
 H野は会計に忙しい。しかし彼のシミュレーションを大幅に上回る動員数で、かなりの黒字が見込めるとのこと。まずは良かった。店の人も、延長したのにその分はチャラにしてくれていた。

○21:00
 3次会の店へ。すぐ近くのBARである。といっても藍屋のように靴を脱いであがるタイプの店だ。20〜30名を見込んでいたら50名もきた。F弓嬢も旦那と一緒に車で駆けつけた。またここで新婦はさんざん飲まされていたらしい。あとで痛い目に遭うとも知らずに・・・。
 J太は何か腹が減ってきた。そこでM野を誘って近くのラーメン屋へ。なんとK也と斉Dがすでに食っている。またも酒盛りがはじまった。食いきれないくらいの餃子とともに。支払いになると斉Dがおごるという。どうやら新郎からの手当が支給されているらしい。とにかく満腹で店に帰った。
 篠D氏もいい気分になっているようだが、そろそろ帰宅を考えているそぶり。いちはやくそれを察知したJ太は携帯で篠D助手の家に電話し、「あ、まきちゃん? 今日帰れないから!」プツッ! これには篠D助手はあわてていた。
 しかしS本は嫁さんといると本当に大人しい・・・・。ま、いいや。
 結局少々の金額をそれぞれ徴収して3次会も終了。えらい人数だった。店の出口でH野が店員と何やら話している。もめごとかと思い、近寄ってみる。「もうちょっとまけてよ〜ん。××さ〜ん」なんと値切っていた! 店員の名札から名前を覚え、価格交渉中だったのだ。さすがH野。凄い男だ。これにはK也も大笑い。ついに若干の値引きを了解させてしまった。しかし確かに3次会は高かった。ここで2次会の黒字のほとんどを食いつぶしてしまった。まあこんなものか。
 H野は支払いを済ますとレジ前で腰を振って言う。「J太、今日はいくでえ!」なんか「いい感じにできあがっている・・・・・」という燃え方だ。

○22:00
 いけそうな人間を募ってK也の先導で六本木「T」へ。お約束のコースだ。もはや運転ができる状態にない新郎はH野が乗せ、新婦をJ太が新郎の車に乗せた。ベルコモンズの駐車場を出て、Aけみ嬢の友人のVOLVOと3台で六本木へ。
 Tではすでに15人くらいのメンバーが飲んでいる。当然、貸し切り状態。んでもって新婦はトイレを貸し切り状態。3次会での飲みが響いていた。
 もうこの辺の記憶はあまりございません。K也と「バンザイ」を歌ったのは覚えていますが。途中何人かが帰ったりしたが結構大勢が午前様まで残っていた。ふと時計を見ると1:50。K也が叫ぶ。「やべっ!Xホテルのルームサービス、2:00までだった!!」こういうことにはやたら機転が利くK也は、すぐさま斉DをXホテルに派遣。ダッシュでXに向かった斉Dから10分後に、「シャブリーとワイン、それに日本酒を2本とビール5本、あと食い物はチーズ盛り合わせとカレー五杯をたのんどいたけどこれでいい?」という電話連絡がてまりにいる我々に入った。こいつも凄い奴だ。

○2:10?
 Tは撤収。大多数は帰った。残った精鋭たちは以下の通り。K也、H野、O俣、斉D、M野、J太。これに、酔った新郎とつぶれた新婦。例によって新郎をH野が乗せ、酔いつぶれて大股開きで寝る新婦を乗せたJ太の2台はXの駐車場へ。
 みんなで部屋にあがろうとしたが新婦は動けない。結局車の中に寝かせておき、駐車場におきざり。これまた凄い夫婦もいたもんだ。「ダイジョブ、ダイジョブ。鍵は内側から開くから!」あたりまえだっつーの。
 ま、とにかく部屋へ。ニコニコしながら斉Dが待っている。机に乗りきらなかった料理がいろいろなところにおかれている。「ちがうだろ!寿司だよ!!」K也が怒る。彼にするとルームサービス=寿司らしい。大学時代の成績ではK也の3倍ほどのAをとった斉Dも形無しである。とにかくまずは乾杯。そしてくう。散々食い散らかして飲む。J太は余った?ワインを窓から捨てる。定例行事だ。しかも今回はビンごとだ! 新郎は運転して帰ることを考え、寝る。考えてみると新郎はベッドに寝て新婦は駐車場。そして関係ない人間達が乾杯。異常な構図だ。K也はそのうちに「外に食いにいこう!」とおそろしい提案。しかもこれが却下されずに行くことになるあたり、みんな酔っているなあ。ここらで新郎は新婦を連れて帰った。残りはふらふらと明け方の六本木をさまよう。途中、若干の破壊活動があったという噂もある・・。M野はこのあたりで逃亡。
 ラーメン屋を見つけたもののJ太とH野はもう満腹であった。そこで今きた道をホテルめざして帰る。K也と斉DはO俣のおごりで食いまくった。(彼は酔うと気前がいい)
 そのころJ太とH野は深い眠りに落ちていた。帰ってきた彼ら(O俣は帰った)もさすがに電池が切れたようだ。それぞれ死んだ。

○翌朝9:00
 誰かがごそごそとおきて着替えている。斉Dだ。「じゃ、今日金沢で仕事あるから!」信じられない言葉を残し、K村支給の一万円を握りしめ去っていった。J太、K也、H野は夢の中でその言葉を聞いていた。

○11:00?
 やっと起きた3人は部屋の惨状に驚いた。K也は「朝飯が食いたい」といいだし、H野にルームサービスに電話させる。ところが日曜は朝は飲み物しかないらしい。しかたなくコーラ2本と牛乳1本を注文。

○12:00
 チェックアウト。新郎から、K也は10万円支給されていたが、部屋代とルームサービスで8万円を越えていた! 笑った。
 H野の車を車庫から出した。抜けるような晴天がまぶしい。ガラガラの六本木をセルシオが走る。「何かこのまま帰りたくねえなあ」K也のその一言で行き先は決まってしまった。国立にある新郎新婦の家である・・・。

○13:30
 新郎に携帯から電話をかける。「もしもしい、昨日、嫁さん大丈夫だった?」「ああ、おかげさまで。昨日はありがとう。今日は親戚の家に挨拶回りにいくんだよ。」「それって夕方だろ? 今時間あるよな?」「へっ!? 今どこにいるの?」「今、国立のガード下を通過したところ」「!」
 ということでK也あこがれの寿司にもありつけました。接待。接待。しかもビールで迎え酒。もうダメ・・・。

 K也を送り、J太の家でお金の精算をし、H野は家に帰りました。はあ。永い戦いでした。これは港区狂乱の宴と名付けよう・・・・・・。


成蹊大学HPに戻る